サポート21・なら

障がい者の就労と自立を応援します

2018年05月

イメージ 1
 先週に続いて、ウォーキングコースの写真です。遊歩道を抜けて農道を歩いていくと、川の土手に出ます。名前は知りませんが、今黄色い外来種がたくさん咲いています。見た目にはきれいなのですが、ここ数年ずいぶん増えました。元々の生態系に影響が出ないのか心配です。
 
 まず、先週の「支援員のスキルアップを!!」の補足をしておきます。支援員の中でもジョブコーチ(職場適用援助者)という方々は、定められた研修を受けた公式な有資格者です。就労支援の事業所の職員の中でもこの資格を有している所もたくさんあります。極端な事例で説明しましたが、すべての事業所がそうではありません。事業所を選ぶ時に「ジョブコーチは居ますか?」と聞いてみても良いかも知れません。
 
企業の事をあまり良く知らない福祉系の方々は「こんなに働きたい障がい者がたくさんいるのに、なんで企業は障がい者を雇用しないのだろう?」といとも簡単におっしゃいます。昨年の6月現在で、法定雇用率2.0%(今年4月からは2.2%)を守れているのは、やっと50.0%で、はじめて半分になっただけです。事業所で利用者を受け入れるのと、企業が人を雇用するのとはまったく違うのです。
 
 事業所が利用者を受け入れれば、国からお金がもらえます。しかし、企業が人を雇用しても原則、お金はもらえません。先週配信したメールマガジンで「障害者の経済学」の著者である、慶応大学の中島隆信教授の記事にもあるとおり、今の日本の障がい者雇用施策には大きな欠点があります。一言でいえば「中小企業に対する支援」が足りないのです。ご存じのように法定雇用率が未達成の企業は不足ひとりについて、月額5万円の納付金を納めなければなりません。逆に法定雇用率を超えて雇用している場合は、ひとり超える毎に月額27000円の調整金がもらえます。
納付金は罰金と勘違いされる事がありますが、決して罰金ではありません。達成出来ていない企業に経済的な公平性を求めているものなのです。また、納付金を納めたからといって、雇用義務がなくなる訳でもありません。
 
 少し脱線しましたが、昨年の雇用率でみると、従業員1000人以上の大企業の雇用率は2.16%と法定雇用率をクリアー出来ています。さすがに、企業の力の差でしょうか。一方、従業員50人から99人までの典型的な中小企業では、雇用率が1.60%と未達企業が大多数なのです。つまり、経済力のある、大企業は法定雇用率をクリアーしたご褒美として、調整金が入り、不足している中小企業は納付金を納める事になります。つまり、中小企業の納付金が大企業へ流れていくのです。法定雇用率は企業規模に関係なく一律なので、この様な理不尽な構図が出来てしまいます。
 
 つまり、障がい者雇用に経済的な支援が必要な中小企業が支払った納付金を、経済的に余裕のある大企業が調整金という名目で受け取っているのです。もちろん、大企業も努力して障がい者を雇用しているのは事実です。しかし、障がい者を雇用したくても、経営的に出来ない中小企業はたくさんあるのです。就労移行・継続支援と謳っていながら、大した支援活動もせず単に「居場所を提供しているだけ」の事業所にも給付金が支払われている一方で、中小企業には一部を除いて大した助成はありません。また、税制面でも社会福祉法人の様な、優遇税制を受けられるわけでもありません。
 
 さらに3年以内には法定雇用率が0.1%アップされます。これにより、障がい者の雇用義務の対象が現在の従業員45.5人から43.5人へと拡大されます。この様に中小企業への負担が増えるのに、必要な助成が伴いません。就労支援の事業所には、利用者一人につき15000円から8000円程度の訓練等給付金が支給されています。尊敬する日本理化学工業の大山会長が言っている様に、福祉のお金を少し中小企業に回すだけで改善されるはずです。13000円でも、中小企業に助成してあげれば、障がい者の雇用は劇的に改善されると思います。就労する人が増えれば、就労支援の給付金を減らせる訳ですから、プラスの方が大きいのです。国からお金をもらっていた人が、「納税者」に変わるのです。(個人的には、障がいのある人の所得税は年収で300万円程度は非課税で良いと思います ) マイナスがプラスになるのです。社会保障費の削減にも寄与できるのです。行政はどうもこの様な単純な計算も苦手な人が多いとお見受けしました。
 

イメージ 1
 写真は、ウォーキングコースの遊歩道です。新緑のトンネルの様で気持ちよく歩けます。
 
56日のコラムで、定着支援の強化について書きました。障がい者が永く働き続ける為には適切な定着支援が欠かせません。ここで問題になるのが、支援員のスキルです。障がい者の就労支援機関としては、就労移行支援や就労継続支援と呼ばれる事業所があります。ここの支援員は「就労支援員」や「職業指導員」と呼ばれますが、これには資格要件を必要としません。また、必要な研修も義務付けられていません。この事が支援機関の力の差となっています。
 
 資格要件が無いという事は、「誰でもなれる」という事です。極端な話、昨日まで、プータローをしていたお兄さんも、コンビニでレジを打っていたお姉さんも、今日から「就労支援員」を名乗れるのです。採用に関して、障がい者との関わりや経験は問われません。この人達の教育は、各事業所に任されています。しっかり研修をする所もあれば、「この本読んどいて」で済ませる事業所もあるのです。つまり、就職するにはハードルの低い職種と言えます。
 
 極端な場合、基本的な障がい特性を知らない支援員も存在します。プロスポーツを支援している事業所が、選手をシーズンオフに支援員として雇用している事例もあります。ある事業所に見学同行した時に保護者から「スポーツ選手と障がい者支援と、どんな関係があるのですか」と聞かれた事があります。おっしゃる通りで、何の関係もありません。つまり、支援員という名でも「ピンキリ」なのです。
 
 一方でスキルの高い支援員もいます。大学や専門学校で福祉関係を学び、障がい者や障がい特性に詳しい人たちもいます。しかし、就労支援となると、自分自身は就労や企業勤務の経験がすくないか、ほとんど無い人がほとんどです。会社の仕組みや、仕事の進め方、社内のコミュニケーション(報・連・相)、ビジネスマナーなどは、経験しておらず、就労支援ハンドブックなどの教則本などを読んで理解することになります。つまり、自動車教習所の教員がペーパードライバーの様なものです。特に支援員のみなさんのビジネスマナーを見ていると実務経験の乏しさを感じます。
 
 このあたりは、行政がしっかりと指導や研修の義務化をすべきだと思います。現在もあることはあるのですが、任意で受講の義務はありません。現実的には、受講すると事業所に加算が付くので、それを目的に受講する方たちも多いのです。国家資格にまでする必要はないと思いますが、少なくとも未経験者が支援員になる為には、必要な研修を義務付ける事が必要だと思います。個々の事業所に研修を一任するのは、負担も大きく、バラツキも大きいので現実的ではありません。行政自身か、第三者機関への委託などで、全国同一レベルの研修を行う必要があると思います。以前書いた定着の3要素の中で、ますます支援者の役割が高くなっていく今後は、なんらかの規制をする必要があります。支援事業所を作れ作れと言って、ブラックのA型や放課等ディサービスが出来てしまいました。放デイについては、ようやく、最低限の資格要件が出来ましたが、就労支援に関しては、相変わらず野放し状態です。せめて、「介護職員初任者研修(旧ヘルパー2)程度の研修をして頂きたいと思います。
 
 冒頭に書いた様に、「誰でもなれる」支援員では困るのです。結果、支援員自身の定着が悪いという現象が多くの事業所で起きています。1年中支援員を募集している事業所もあります。福祉の世界と同様、入れ替わりの多い職種です。この様な事業所では、面接の第一声が「明日からきてもらえますか?」です。スキルや過去の経験よりも、明日から来てもらえる人が必要なのです。障がい者の就労と同じように最低でも12週間の職場体験実習を行って、適否を見分けて頂きたいものです。
 

イメージ 1
 写真は田原本町の唐古・鍵遺跡が史蹟公園として整備され、4月にオープンされました。道の駅も併設されています。
 
 スローライフのスタートは捨てる(処分)から始まりました。残り何年生きるか分かりませんが、これからはもう必要ないモノがたくさんあります。また、残されても困るものもたくさんありますので、これらの処分を始めました。
 
・ゴルフ用品
 30歳位から始めたゴルフですが、サラリーマンの平均的なゴルフだったので、せいぜい月に1回程度、年間でも10回前後でした。本格的にやったのは、インドネシア駐在の4年半でした。まだ治安の悪いこともあり、休日はもっぱらゴルフに打ち込みました。余暇活動というよりも、スポーツとして取り組んだ時期でした。赴任手当で少し上等なセットを買い、インドネシアで345回、日本に戻って5回の350回使いました。十分元は取れました。現地でのプレーは18ホール連続して回るので、3時間程度で回れます。土曜日はほぼ会社に出ていましたが、仕事の前後にラウンドすることが出来ました。(雨季は仕事の前に、乾季は仕事の後に) 日曜は必ずゴルフでした。ここ数年は持病の腰痛もあり、すっかり物入れの粗大ごみ状態でした。捨てるにはしのびないので、息子にゆずりました。
 
・無線機
 今の様にインターネットが普及する前に、国内・海外との通信手段は電話くらいしかありませんでした。30代後半から40代前半の10年間くらいにはまったのが、「アマチュア無線」でした。当時は「趣味の王様」と言われることもありました。国内・海外との交信で「交信証」と言われるカードの交換をして楽しんでいました。今、インターネットが普及し、海外とのやり取りも、簡単に出来る様になりました。私の特技のひとつに「モールス信号が分かる」がありますが、もう死語になってしまいました。特に海外との交信では、主にモールス通信で行いました。マニアはなんでもそうですが、やればやるほどよい機械が欲しくなり、次々と買い替え・買い増しして、軽自動車くらいの投資はしました。5台程度は手元に残していたのですが、これも物入れの粗大ごみと化したので、専門業者に引き取ってもらいましたが、小学生のお年玉程度の金額にしかなりませんでした。ただ、短波とVFH帯の無線機1台ずつは残しています。たまに、航空無線の周波数を聞いて。パイロットと地上の管制官との交信を聞いたりしています。この会話で飛行機の便名が分かると、インターネットで今どこを飛んでいる飛行機か分かるソフトがあるのです。
 
・ワイシャツ・ネクタイ
 どちらも、サラリーマンの制服の様なもので、こちらもずいぶん沢山溜まっていました。数えて見ると、ワイシャツが35枚、ネクタイは43本にもなっていました。今後、スーツを着る機会など年に数回しかないでしょう。冠婚葬祭用に白いワイシャツやオーダーメイドしたもの、後はカジュアル系のものを少し残しました。ただ、これも捨てるには忍びないので、野良着にすることにしました。これからの季節の畑仕事は、日焼けと虫刺され予防に長袖のシャツが欠かせません。TAKEO KIKUCHIやコシノ・ジュンコのシャツを着て、長靴をはいて「牛ふん堆肥」を撒くなんて、ちょっとカッコイイと思います。ネクタイは、15本だけ残して捨てました。もっとも、生地が絹なので面白い柄は家人がほどいて手芸の材料にするとか言っていました。
 
・名刺・書類
 定年後に仕事をした分だけでも、ずいぶん溜まりました。定期的に見直して処分しておけばよかったのでしょうが、ついついため込んでいました。私は、名刺交換させて頂いたあとは、月に1度くらい、「名刺管理ソフト」で読み込んで整理していました。データは残っていますので、紙の原本は、シュレッダーにかけて処分することになります。これも、思いついた時に1日かけて一気にやりました。ただ、サポート21・ならの活動で交換したものは、まだ保管しております。最大の難関は、書棚の多くを占める書類です。これはまだ手を付けられていません。少なくとも半年間見ていないものは、捨てるべきなのですが、今後ボチボチやろうかと思います。ただ、確定申告に使用した書類や領収書などは5年や7年間保管の義務があるので捨てる事ができず困ります。(かさばる領収書などは提出してしまえば保管不要なのですが、電子申請の弊害です) 本は定年後に処分・整理したのでこちらは特にやることはありません。
 
更新しました
 

イメージ 1 連休にドライブに行って、山の中の直売所で買いました。1300円という安さもありましたが、掘った日付を書いていたのが、良心的だと思いました。
 
 4月に入社した新入社員は、ちょうど今ごろは研修の最中かと思います。どの業界も人手不足感が強いので、出来るだけ研修や教育は短くして、実戦に配置したいのだと思います。しかし、この時期にしっかりした研修や教育をしておかないと、結果的には育てるのに遠回りをしてしまうことになります。会社のルールや仕事の進め方など基本的な事を学ぶ大切な期間です。
 
 先日、新聞に入社4日目で辞めた新入社員の記事が出ていました。常識では考えられない早さです。社会人としての良識を疑います。それなら、なんで入社したのかと聞きたくもなります。4日で辞めるということが、どれだけの迷惑を掛けているのか分かっていないのだと思います。以前、このコラムで定着しない要素として、当事者・支援者・受け入れる企業の3つを挙げました。よく定着しないのは企業の責任という様な表現を見受けますが、決してそうではありません。当事者や支援者にも要因がある場合も結構あります。4日で辞めるというのは、まさに本人の問題かと思います。少子化でなに不自由なく甘やかされて育った結果、他人から指示されるという事に戸惑いを感じたのかも知れません。本人の問題だけでなく、家庭での教育にも問題がありそうです。
 
 この傾向は、障がい者の就労だけでなく、一般の人にも当てはまるようです。年々若者の定着率が悪くなっています。定着率に関してはなかなか正確なデータが無いのが現状です。求人倍率が過去最高と言われる様な今日では、ひと頃と比べれば、贅沢を言わなければ就職はそれほど難しい状況ではありません。今、必要なのはいかに永く働くかです。一説には3年で半分という定着率はやはり悪すぎます。子離れ出来ない親が増えたのも一因かも知れません。親が「つらかったら、いつでも辞めたらいいのよ」と言う時代ですから。
 
 就労移行支援の事業所などでは、今年何人就職したと自慢げにホームページなどに書いている事業所もありますが、そんなことを言う時代はもう終わりました。事業所の実力は定着率で判断する時代になりました。企業に対する助成も雇用した事に対する助成がほとんどです。3年程度で打ち切られるのが一般的です。しかし、企業にとって、永く働いてもらう事に対する助成が本当は必要なのです。助成はなにもお金だけではありません。ジョブコーチや支援員の定期的な巡回も最大で2年間などの制限があります。これらの人的支援を期限なしにするなど、特に中小企業に対する支援が必要かと思います。今の法律では、いったん雇用したら原則、会社都合では解雇は出来ません。どんなに不況になっても解雇は出来ません。永く働いてもらう難しさは、実際には大変な事なのです。このあたりが理解してもらえない所に企業のつらさもあるのです。
 
さらに就労移行支援事業所の支援員自身の定着が悪いのも気になります。なかなかベテランという人が育っていない様にも感じます。これが3要素の中の支援者の問題にも繋がっている様な気がします。年中支援者を募集している就労支援事業所を見ると、本当にここで訓練して大丈夫なのかと心配してしまいます。企業も、即戦力として配置するだけでなく、3年後、5年後にどういう立場でどういう仕事をして欲しいのかを伝えて、先の見える働き方をしてもらう工夫も必要ではないでしょうか。どうも今論議されている「働き方改革」ではこのあたりが見えてこないような気がします。制度の論議だけでなく、働くモチベーションを維持・向上させる施策が必要だと思います。
 

↑このページのトップヘ