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2017年05月

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 新緑の緑と、バラなどの花がいっせいに咲いていて、一年で一番美しい季節になりました。名前は分からないのですが、ウォーキングコースの、川の土手にたくさん咲いていて、今がピークです。
 
 2月の日曜コラムでも、「統計のマジック」を取り上げました。今回は、その続きです。今月の半ばに、総務省から全国家計調査報告による、2人以上の世帯の平均貯蓄金額が発表されました。なんと、1世帯あたり1820万円だそうです。内訳は定期預金が727万円、普通預金が412万円、生命保険が378万円などです。いかがでしょうか。「こんなたくさん無いよーー」と言う声が聞こえそうです。これは単純平均の結果なのです。これが統計のマジックです。実際は、ごく一部の富裕層が、全体の平均値を引き上げているのです。実際には全体の3分の2は、平均値の1820万円を下回っているのです。
 
 統計のマジックの怖さがここにあります。本来ならば、この様な統計を取る場合は、生活スタイルの似た階層別に集計するのが、正しいやり方だと思います。サラリーマン・公務員・自営業・年金生活者・経営者などに分類したうえで、集計しないと実態と合わない数値が出てしまいます。同じデータを使用しても、まとめ方で数値が大きく変わります。サラリーマン層なら、貯蓄額はせいぜい年収の1-2年分くらいではないでしょうか。逆に言えば、同じデータから数字を操作することも可能なのです。ですから、発表される数字もよく「裏読み」する必要があります。
 
 毎年、奈良県の特別支援学校を卒業する生徒の進路調査をして4年ほどになります。各学校の進路指導の先生方にご協力頂いています。各都道府県の教育委員会でも、特別支援学校の就職者数を発表していますが(公表していない所もあります)、この数値も就労した生徒の合計を全体の卒業生の合計人数で割った数字です。都道府県により差はありますが、2540%程度でしょうか。しかし、軽度の知的などの生徒を選抜し、就労に特化した特別支援学校では、どの他府県でも、80%以上の就職率になっています。一般の特別支援学校では、10%程度です。つまり、ここでも、就労に特化した支援学校が全体の数字を押し上げています。単純平均では、正しい実態が反映出来ないのです。
 
 ハローワークから発表される数字にも、同じ事が言えます。ハローワークを通じて就職できた人の人数は毎年連続して増加していますが、これは、1日でも働いたら、就労実績としてカウントされる仕組みになっています。定着に関してのデータは、なかなか少ないので、実際には半年・1年後にどれだけの人が働き続けているかは、定かではありません。これからは、単に就労した人の数を競うだけではなく、「永く働き続ける」ことが大切な時代になりました。
 
 

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 連休に植えた夏野菜の苗も、定着して成長しています。先週、支柱とキュウリのネット掛けをしました。さて、今年の夏の収穫はどうなることか。手前がジャガイモ、奥がタマネギです。
 
 先週のコラムで、「仕組みを変える」ことについて書きました。さっそく、先週これに関連する記事が出ていました。ビールメーカーが協働して、物流の仕組みを変えるというものでした。まず、基幹の輸送を、トラックから鉄道に切り替える。また、各社の配送網を相互利用するという内容でした。もちろん、目的は物流関係の人手不足対策ですが、もうひとつ意外な理由が書かれていました。それは、「少子化による市場の縮小対策」が挙げられていた事です。少子化による人口の減少の影響が予想よりはるかに進んでいることが分かりました。
 
 高齢者の交通事故のニュースがこれでもかと言う様に繰り返し流れています。まるで、すべての高齢者が事故を起こす様なメディアの騒ぎ方に当事者としては、はなはだ迷惑な話です。高齢者の事故原因で多いのは、アクセルとブレーキの踏み間違えだそうです。私は、オートマ車に乗って40年以上になるのですが、最初から両足運転していました。レース用のカートなどと同じです。アクセルは右足、ブレーキは左足で固定です。踏みかえはしません。きっかけは、何かの本で、アメリカでは両足運転を推奨していると読んだのがきっかけでした。推奨の理由は、踏み間違え対策ではなく、アクセルからブレーキへ踏みかえるより、ブレーキが早く踏めるという理由でした。左足で、ブレーキを踏むのを躊躇される人も多いのですが、慣れればまったく問題ありません。私も調べてみましたが、日本でオートマ車を両足運転している人は、ごくごく少数派のようでした。みなさんの中で、オートマ車を両足運転されている方は、どの位いるのでしょうか?
 
  ヨーロッパや日本の企業の一部でも、サイバー攻撃による被害が出た様です。1月の日曜コラムで、IoTが進むリスクとして、セキュリティーの心配がある事を書きました。そして、セキュリティーの専門家の育成が課題であることを書きました。予想より早く現実の問題となって来ました。今回は幸い社会インフラには侵入していないようでしたが、不幸中の幸いと言うべきかもしれません。ただ、今回のニュースで、企業ではまだWindows XPを使っているところがまだたくさんあるという事が分かりました。一度、システムを作ってしまうと、なかなか簡単には変えられない事情もあるようです。日本でも、パソコンの黎明期にスタンダードだった、NECPC-98もまだ需要があるのも同じ理由です。便利な事には、リスクが伴う事を再認識するとともに、対策としてセキュリティーの強化や、専門家の育成を急いで頂きたいと思います。
 
 

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 4月に大仏鉄道記念公園の桜の写真をアップしましたが、連休の1日、木津川市の山の中を原付バイクで走りながら、大仏鉄道の遺構を見てきました。写真は「鹿背山橋台」というところです。

  先週の日曜コラムや、企業向けのセミナーでも将来の人口減少について話をしています。特に企業向けセミナーでは労働人口の減少に対して、戦力として障がい者の雇用を呼び掛けています。本当に将来の人口減少に対して、打つ手はないのでしょうか? 海外から大量の移民を受け入れるのも現実的ではないでしょう。我が国は、歴史的にほぼ単一民族で歩んで来たので、移民を受け入れる文化や土壌はないと思っています。では、本当に将来の日本は衰退へ向かうのかというと、個人的にはそうはならないと思います。
 
 その理由として、日本人には素晴らしい知恵があります。みんなで、知恵を出し合えば、人口が減りながらも、今の生産性を維持する事は可能だと思います。つまり、今まで3人でやっていた仕事を2人で出来るように、仕事の仕組みを変える訳です。高度な判断を必要とする仕事も、AI(人工知能)やロボットでカバーする事が可能だと思います。現在進化中のAIIOT(モノとつながるインターネット技術)のスピードからすれば、10年後、20年後には想像を超える技術が生まれていると思います。
 
 働き方改革も、究極は「働く仕組みを変える」ことだと思います。少子化対策と並行して、働く仕組みを変えることで、人口減少を補うことが出来ると思います。AIIOTの進化と、働く仕組みを変える事で、生産性を上げて労働人口の減少をカバーすることは必ずできると思います。若い世代の人たちには、今後目まぐるしく変わる世の中の仕組みの変化に、柔軟に対応する能力が求められると思います。昨日までのやり方が、今日から変わるという事が、当たり前の様にあると予想されます。しかし、子どもや若い世代の人の、環境変化に適応する能力は高いので必ず乗り切れると信じています。
 

59日更新しました

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 写真は広陵町にある馬見丘陵公園です。(54日撮影) チューリップは終わり、バラにはまだ早い少し中途半端な時期でしたが、「ネモフィラ」という花が一面に咲いていました。せっかくの、連休なのに人を呼ぶようなイベント企画も特になく、もったいないなぁと、思った次第です。

 5日の子どもの日に、各紙で子どもの人口が減少していることが報じられていました。今年の15歳以下の子どもの人口は1571万人と、36年連続して減少しているそうです。人口の構成比でみると、12.5%と高齢者の比率のほぼ半分以下となっています。長寿社会の裏に将来の人口減が差し迫っている事をどれだけの人が真剣にとらえているでしょうか。人口は「国力」です。国が栄えるという事は人口の増加を伴っています。ある大学の先生の受け売りですが、過去、人口が減りながら、繁栄した国は歴史上無いそうです。
総務省発表の統計はこちらから  
 
 子どもが減少している要因は、晩婚化や結婚しない若者の増加などいろいろ考えられますが、安心して子どもを作り、育てられる環境整備が急務だと思います。労働人口の減少で、結婚しても、働くことが当たり前の時代になりました。子どもが出来ても働き続けられる環境は十分ではありません。昔なら、大家族で、誰かかが子どもの面倒は見られたのですが、今は、核家族化で子どもを預けられるのは、公営・民間の保育園しかありません。都市部では、保育園の不足で働きたいのに働けない女性がたくさんいます。
 
 36年間減少し続けている現状を放置しているのは、あまりにも無策過ぎると思います。「一人っ子政策」で人口増加を抑制してきた中国も、その反動で労働人口が2014年から減少に転じると、早くも2年後の昨年から、二人目の出産を容認する政策転換をしています。今こそ、本気で手を打たないと、将来に禍根を残すのは目に見えています。少子化対策は、今日手を打って、明日から効果が出るものではありません。10年・20年後でないと、効果が出ないのです。高齢者施策をアピールすれば、票につながるという打算も見え隠れします。そんな目先のことより、10年後、20年後を見すえた、施策を望むところです。もう、高齢者に媚びを売る施策は必要ありません。高齢者より、将来国を担ってくれる、子どもに対する施策を真剣に考えて頂きたいと思います。
 

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