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障がい者の就労と自立を応援します

2015年04月

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 写真は今朝のウォーキングの途中で写したものです。冬の間水を抜いていた、ため池も今は水を満々とたたえて水鳥も戻って来ました。この様な自然の風景はいつまでも残しておきたいものです。
 
 私が現役の時にやっていた仕事はメーカーでのモノ作りでした。難しい言葉を使うと生産技術や品質管理などの仕事を会社勤めの大半の期間、携わってきました。やさしく言えば「良い物を、安く、大量に作る」仕事です。自称プロでもあります。現在の活動を始めた頃、これらの経験を生かして、事業所の生産性を上げるのに、お手伝い出来るのではないかと思いました。生産性を上げる事で、工賃を増やせると考えたからです。
 
 いくつかの事業所を訪問して、作業現場をみせてもらいました。思った通り、改善の余地がどの事業所も山ほどありました。少し、レイアウトを変えるだけで人の動線が良くなり、無駄な行き来が無くなる事、ボトルネックになっている機械を増やすだけで、生産量が2倍くらい増やせることなどを提案しました。しかし、ほとんどの事業所では受け入れてもらえませんでした。
 
 理由のほとんどが、「今のままが一番いいんです。やり方を変えるとこの子たちが混乱してしまいます。この子たちにとって、明日も明後日もずっと同じ仕事をしている方がいいのです」と言うものでした。また、「沢山作れても売れ残るだけ、沢山作る必要も無いのです」とも言われました。つまり、沢山作って、沢山売って、沢山稼いで工賃を増やす、と言った発想が乏しい様に思いました。やはり、企業の考え方と福祉の考え方の違いなのかと思った次第です。
 
しかし、パンやクッキーを焼いている福祉系の事業所でも、2万円以上の工賃を稼いでいる事業所もたくさんあります。そういう所はやはり、施設長が私と同じような考え方を持っていました。販路を広げ、沢山作って、沢山売れば工賃は上げられる事を実践されています。日額500円、600円の世界があたり前と思ってしまう所が怖いところです。
 
なぜ、この様な事を何度も言うかという根拠を説明します。障がいをもった人たちが、自立して生活するには、月額12万円前後が必要と言われています。(地域差もあります。都市部では無理かも知れませんが) 障がい年金との差額分、4-5万円は自力で稼ぐ必要があるのです。この為に事業所での工賃が上げられれば、この差が埋まります。1万円から4万円はいきなりは無理でしょう。しかし、4万円と言う目標が見えれば、近づける事はできると思います。「今のまま」では絶対に何も改善されません。がんばれば、必ず工賃は上げられる。こう信じて、もう一度、工賃アップに取り組んで頂きたいと思います。
 
 


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 好天が続くとの予報なので、昨日、きゅうり・ナス・トマトなどの夏野菜の苗を植えました。今年も、沢山採れるといいのですが。(写真中央の黒いシートの列) 手前は、じゃがいもです。4月は雨が多く、日照が少なかったので、種イモが土の中で腐ってしまったのではと、心配していましたが、ちゃんと発芽してくれました。奥の列は来月収穫するタマネギです。
 
障がい者の就労支援をやっていて、現在の学生の就活と共通するものを感じることがあります。それは、仕事と自分の生き方を別々に考えている様に見える事があります。社会人になって仕事をするという事はイコール、自分の生き方に通じるものがあると思います。仕事を通じて、どの様に生きるかだと言えるかも知れません。「この会社に入りたい」とは言えても「入って何をしたいのか」が言えない人が多いように思います。仕事をすることは、生き方の大半を仕事が占める様になります。余暇の時間より、仕事や通勤など仕事関連の時間の方が、圧倒的に多くなります。つまり、仕事は自分の生き方に大きな影響を与える事になります。
 
今は、仕事よりも個人の生活を優先させる考えが、主流なので、個人の生活を仕事で犠牲にしたくないという考えなのかも知れません。好きな仕事をするために、今はひたすらお金を稼ぐ。その為に、宅配便のセールスドライバーをやってお金を稼ぐ。開業資金を貯めて起業したい。この様に明確な目的を持った若者に出会う事が少なくなったような気がします。また、海外まで視野に入れた、グローバルな考えを持った人も減った様に思います。自宅から通える会社を選びたい。転勤がある会社は嫌。海外なんてとんでもない。どうも、スケールが小さい様な気がします。
 
他方、企業側はグローバルな人材を求めて、外国人の採用枠をどんどん増やしています。ユニクロや、楽天などがその例でしょう。彼らは明確な目的を持って、日本企業に応募して来ます。彼らと、日本の若者が机を並べて仕事をする時、はたして勝負になるかどうか。ハングリー精神の差が出てきます。少子化で大事に、大事に育てられた日本の若者と、母国で必死に勉強をして日本での就職戦線を勝ち抜いて来た、外国の若者との競争が見ものです。しかし、ごく稀に、この若者なら、次の世代を安心して任せられるという若者もいます。頼もしいと思います。(沢山居ないのが残念ですが・・・)
 
 

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 近くの公園のフジ棚のフジが満開です。ピンクの所もあり、紫の所もあります。春日大社の砂ズリのフジはどうでしょうか?
 
 特別支援学校を卒業して、就労移行や生活介護、就労継続支援B型などの事業所に行った人が月末には、はじめての工賃(就労ではなく、訓練という位置づけなので、賃金ではなく工賃と呼びます)をもらうことになります。データが少し古いのですが、平成24年度の全国平均の実績では、就労移行では、月額21,175円、時給258円、B型では月額14,190円、時給176円となっています。生活介護では、更に低くなります。データには無いのですが、月額10,000円から12,000円程度が実態かと思われます。
 
 月額10,000円から12,000円と言うと、月に20日間通っても、1500円から600円です。(決して時給ではありません。日額です!!) また、この様な事業所では、衛生管理の観点から、給食をみんなで食べる所が多い様です。(お弁当持参を認めている所ももちろんあります) 1食平均350円から400円程度でしょうか。7,000円から8,000円程度が工賃から差し引かれます。また、年に1回ほどレクレーションで旅行などに行く事が多く、月に1,000円程度を積み立てる所が多い様です。
 
 いくら就労ではなく、訓練だからと言っても、これでは手取りベースでは、せいぜい24,000円程度です。これでは、なかなか好きな物も買えないでしょう。過去にも「工賃倍増計画」が全国で展開されましたが、思ったような成果は上がりませんでした。「働いてお金を稼ぐ」と言う事が実感できる工賃を実現してあげたいものです。訓練と言ってしまえば、それまでですが、内容は就労に近いものであり、それなりの対価を得ても良いのではないかと思います。一般就労は無理でも、A型なら働ける人は多いと思います。いろいろと課題の多いA型事業所ですが、なんとか良質のA型が受け皿になってくれると良いと思います。(A型の課題については、別途改めて書いてみたいと思います)
 
 


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 写真は1月以来続けている、定点撮影です。冬の間は、色彩のない風景でしたが、春になって緑が多くなってきました。写真には写っていませんが、レンゲの花が咲いている田んぼもありました。
 
 ある大学の学長が入学式の訓示で「学生辞めますか? それともスマホ止めますか?」と問いかけて話題になりました。極端な選択肢ですが、確かに学長の想いも分かる様な気もします。若者の(一部の大人にも)スマホの依存症は目に余るものがあります。確かに便利なツールであり、今や必需品には違いありません。就活のツールとしても欠かせないようです。しかし、「スマホなしでは生きていけない」事も有り得ません。おそらく、何らかの形で情報とつながっていないと不安になるからでしよう。以前にも「ネット断食」の事を書きましたが、依存し過ぎず、上手に使いこなして欲しいと思います。
 
 学生の就活の時期が変わり、今、沢山の就活中の学生を見受けます。女子学生はみんな、黒いスーツに白いブラウス。髪は後ろで束ねて、黒いカバンを持っています。そこまで、統一する必要があるのかと思ってしまいます。就活の写真のサンプルの様な学生ばかりです。思うに、みんなと一緒にすることで、安心感を得ている様な気がします。男子も基本みな同じです。たぶん、マニュアル本などに書いてある「服装では個性を出すな」を従順に守っているのでしょう。多分、企業はそこまで求めていないはずなのですが・・・。
 
 最近の傾向として、就活に親が干渉し過ぎる過干渉も問題になっています。親が許した会社しかエントリーしないとか、親がエントリーシートを代筆するとかエスカレートしている様です。志望動機も「親の勧め」と言う学生もいるとか。また、内定を出しても「親が反対しているので辞退」もある様です。あげく、めでたく入社が決まっても、親が入社式まで付いて来る。親離れ・子離れが出来ていない典型的な事例だと思います。人事担当者がボヤクのも当然です。
 
逆に私が特例子会社にいた時には、親に会社に来てもらいました。目的があっての事です。障がいのある子どもを持つ親としては、就職できても不安がいっぱいです。どんな会社なのか、周りの人はいい人だろうか、通勤経路はどうだろうか、本人以上に心配されています。一緒に会社に来てもらい、会社の中を見てもらいます。職場の上司にも会ってもらいました。こうすることで、親御さんは安心されます。ちゃんと理由があって来てもらいました。
 
 

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 開幕3連勝のロケットスタートをきったタイガース、その後まさかの6連敗で失速です。でも、始まったばかり、気持ちを切り替えて応援したいと思います。
写真は、9日に会議で行った時に写した、大和郡山市の三の丸会館のしだれ桜です。今季最後の桜の写真となりそうです。
 
 あちこちの駅の定期券売り場では、毎日長蛇の列が出来ています。新入生やフレッシュマン達が定期券を買う為に並んでいます。気持ちも新たに、新しい学校や会社に通い始めます。若者たちは無限の可能性を持っています。経験不足から失敗する事もあるでしょう。困難な局面に立ち向かうこともあるでしょう。それらをひとつひとつ乗り越えて成長していきます。最初の失敗は許してあげましょう。そして、同じ過ちを二度と繰り返さない様に温かく見守ってあげたいと思います。それが、我々人生の先輩としての役割ではないかと思います。
 
年度末の忙しさも一息ついたので、先週末に横浜の息子夫婦の家に孫の顔を見に行きました。会うのは12月以来です。いつもながら子供の成長の速さには驚かされます。つたい歩きを始めた頃で、目が離せなくなる時期でもあります。私たちが子育てをしていた頃とは、隔世の感があります。まず、子育てを支援するツールの多さです。私どもの様に、遠隔地に離れていても、日ごろの様子はスカイプで、手に取る様に分かります。写真もクラウドにアップしてくれているので、いつでも最新の写真を見る事が出来ます。
 
 子どもが2階で寝ていても、Wi-Fiを利用した、ウェブカメラで階下のリビングやキッチンで常に様子を見る事が出来ます。これがなかなかの優れもので、高感度カメラなので、暗い部屋でもはっきり映り、マイクも付いているので泣き出したらすぐにスピーカーから泣き声が聞こえてきます。子育て以外にも介護でも使用可能な便利グッズです。おもちゃにも電子化がずいぶん進んでいます。私たちの頃には、想像も出来なかった様なものが出現していてびっくりします。
 
 天気が悪くて、子どもを連れて買い物に行けない時も、ネットスーパーで必要なものが自宅に配達してもらえます。外出しても、食事は離乳食のビン詰めがいろいろな種類があり、簡単に食べられるようになっています。昔は、たくさん日光浴をさせておくと、冬に風邪を引かないなどと言われて、よく裸で転がしておいたものですが、今は、紫外線を避ける為になるべく直射日光には当てなくなっています。この様に時代と共に進歩したり、考え方が変わってきているので、こと、子育てに関しては、私たちの経験則は余り役に立たない様です。
 
 しかし、いつの世でも変わらないものもあります。それは、スキンシップや語りかけなど、愛情を注ぐことはいつの世でも基本です。どんなに小さくても、言葉が分からなくても子供には親の注ぐ愛情は必ず伝わっていると思います。
 

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