2021.10.10

丹波の黒枝豆を収穫しました。ニュースに出てくる様なプロの農家さんの様に沢山は収穫できませんが、ここしばらくは晩酌のおつまみで楽しみます。(109日撮影)

 障がい者の就労支援に関わって、今年で約13年目になります。なんでもデータに残す私ですが、何人の人を就労させたかというデータは残っていません。私ひとりで出来た訳でもないので人数はあまり関係ないと思っています。関係する人の協力があって出来たもので、決して私ひとりの力で出来たものではありません。感覚的なデータでは3割から4割程度の成功率だと思っています。まぁ、イチロー選手の生涯打率程度でしょうか。

 障がい者の就労にハードルとなる要素はたくさんあります。それらがすべてクリアー出来て初めて就労が出来ます。受け入れる企業の問題・障がい者自身の就労意欲やスキル・支援体制の問題・昨今のコロナ禍のような社会情勢など様々です。また、私の持論は「運と縁」です。たまたま、日ごろからお付き合いのある企業から「欠員が出来たので誰かいない?」と声を掛けられることがよくあります。

 こんな時に、知っている事業所に声を掛けたりするのですが、その時たまたま、求職活動をしている条件の合う人がいると、とんとん拍子に話が進むことがあります。反対に、就職した直後で誰もいないと言うような事もよくあります。この辺は運というかタイミングによるところも大きいのです。特に「今すぐ欲しい」という企業からの声を聞く時、いくら特別支援学校に来春卒業する生徒にいい人がいるのですがと言っても待ってもらえません。

 2-4 同居率以前にもお話ししましたが、若い世代の障がい者は親との同居率が高い傾向にあります。就職が不成立に終わる要因のひとつに「親の意向」というのが結構あります。障がい者とは言え成人しているのですから、自分の判断で決めて欲しいのですが、結構な率で親の意向で断るという事例もあります。本人はやりたいと思っていても、親の反対で断念する事例などです。

 親の中には大企業の特例子会社でなければダメだとか、正社員でないとダメとかいろいろな条件を提示される方もいます。特に高学歴の方になると、「大学まで出てこんな仕事ではダメだ」とか言われる事例もありました。中には、ご主人と比較される方もいました。給料が20万円以下なんて「生活困窮者じゃないですか」と言われたこともありました。

 私が考える自立の定義に「自分で考え、自分で決める」ことがあります。自分がやりたい仕事があれば、やらせて見てはどうかと思います。障がい者に限らず最近は、「子離れ」出来ない保護者が増えて来ています。大学の卒業式までたくさんの保護者が参加する時代です。適度な親子の距離感を保つのも大切かと思います。また、子どもの方も就職にあたって「自宅から通勤できる所」を必須条件に挙げる人が結構います。「親離れ・子離れ」が出来ていないのです。

 このように、就労支援に関わって来ていろいろな人間模様を垣間見ることが出来、私自身も大変勉強になりました。人にはそれぞれの価値観があります。私が「こんな好条件は滅多にない」と思っても、「こんな条件はダメ」と親から一蹴されることも何度も経験しています。一方、「うちの子が就職出来るなんて、夢みたいです」と私の手を取って感謝してくれたご両親もいました。こんな時は、やはり「やっていてよかった」と思います。こんな私も、高齢になりいつまでも続けられなくなりました。そろそろ、若い世代にバトンタッチをするタイミングを考えだした今日この頃です。

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